脱サラ後、独学で養殖技術を培ってきた赤星さん。ピチピチと生きのいいヤマメが育っています

国道218号から津留川に沿って五家荘方面へ向かう国道445号を4kmほど上ると、やがて「やまめ」と書かれたのぼり旗が見えてきます。「やまめ茶屋」の下を流れる津留川から、涼やかな瀬音と風が吹き上がってきて額の汗も一瞬のうちにひいていきます。やはり天然のエアコンは気持ち良さが違います。

店の裏手では、七郎次水源の水を引き込んだいけすの中で、ヤマメやニジマスが養殖されています。美しい水と恵まれた環境で育つせいか、身のしまったおいしい魚に育つそうです。

残暑を忘れさせてくれる津留川源流近く。川を眺めるテラス席もあります

店の裏手には細かく仕切られたいけすが幾つもあります

ここではヤマメとニジマスの両方が味わえる「にじます刺身定食」があり、ニジマスの刺し身とヤマメの塩焼きがセットになっています。特に、炭火でじっくり焼き上げた塩焼きは、皮目はパリッとして身はふっくら。串に刺したまま豪快にかぶり付くと、一層おいしく感じます。オレンジ色の身のニジマスの刺し身はコリコリとした歯応えの後で、トロッとしたうま味が広がっていきます。

塩の加減も程よい「やまめ塩焼き」500円。いけすのヤマメを生きたまま串に刺し、炭火でじっくり焼き上げます

脂が乗った「にじます刺身」800円。「やまめ塩焼き」や小鉢が付く「にじます刺身定食」は1800円

骨まで丸ごと食べられる「やまめ甘露煮」と「やまめ南蛮漬」各500円。テークアウト用もあり、おみやげにおすすめです

「子どもの頃の遊びは、もっぱらヤマメ釣りでした。幼いころに釣って焼いて食べたヤマメの味を、いろんな方に味わってほしい」と話す店主の赤星達雪さん(69)は、14年前に脱サラしてふるさとの美里町に戻り、この店を開きました。「新鮮な川魚を食べてほしいと奮闘してますが、養殖はなかなか難しい。十数年たった今も、まだまだ勉強中です」

「初夏はホタルの観賞、夏はそうめん流し、秋は紅葉が楽しめます」と赤星さん。お店にいながら周囲の美里の自然が満喫できます

「川釣りを卒業して、今は海釣りにはまっています」と赤星達雪さん。釣果の魚拓が誇らしげに店内に貼ってありました

そんな赤星さんは、釣り仲間と結成した「五家荘ヤマメ放流会」で、1万匹の稚魚を放流する活動を30年以上続けています。「自然から受けた恩恵を、少しでも返していきたいと思います」と話す穏やかな笑顔が印象的でした。

やまめ茶屋

下益城郡美里町早楠1951

TEL.0964-47-1239

営/11時~OS14時(夜は要予約)

休/木曜、ほか不定休あり


旅のおみやげ 美里町 「道の駅美里 わくわく館」で見つけた 「エメラルド豆腐」と「かぼちゃパイ」

大豆の甘さとぷるぷるの食感が楽しめる「エメラルド豆腐」300円(数に限りがあります)

「道の駅美里」には温泉施設の「佐俣の湯」と、里山のおいしいものがそろう物産館「わくわく館」があります。ここで見つけたのが、地元の「吉住豆腐店」で作られている「エメラルド豆腐」です。青大豆を使った豆腐は上品な緑色で、大豆の甘味をしっかり感じられるのが特長です。

また「くりゆたか」や「えびす」といった町特産のカボチャが秋から冬にかけて登場します。加工品もあり、サクサクのパイ生地でカボチャあんを包んだ「カボチャパイ」や、数量限定の「カボチャ焼酎」など、お土産としておすすめです。

「カボチャや栗、柿など、秋の味覚が続々登場します。温泉と一緒に楽しんで下さい」とスタッフの前田潤さん(47)

美里町のカボチャを使った「かぼちゃパイ」10個入り1080円、「かぼちゃ焼酎美里」720ml1400円

道の駅美里 佐俣の湯 わくわく館

下益城郡美里町佐俣705

TEL.0964-46-4111

営/9時~18時(温泉は10時~21時半)

休/第2木曜


旅の終わりに・・・

渓流からそよぐ風や、山の木々の緑の濃さがすがすがしい美里町の風景。まだまだ残暑の厳しさを感じつつも、山里の日が傾くのは早く、秋の気配が少しずつ漂うことを知ります。これから黄金色に染まる田んぼや彼岸花が咲くあぜ道、夕日に燃える紅葉の景色が待っています。美里町の秋の深まりが楽しみでなりません。


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