青々とした美しい曲線が広がる相良村の茶畑では、既に茶摘みの作業も終盤でした

川辺川から立ち上る川霧が茶葉のコクを生み出すことから、茶どころとして知られる相良村。相良村と錦町で栽培されるお茶は「球磨茶」と呼ばれ、熊本県の生産量の4割を占めるといわれます。

相良村と錦町の境近くで茶作りを行う「川上製茶」を訪ねました。川上誠一さん(49)は息子の大和さん(23)と、誠一さんの母とともに親子三代で茶園を営んでいます。

川上製茶でいただいた水出し茶。冷製スープのようなうま味にびっくり

左から川上誠一さんと息子の大和さん

「まずは、“夏茶”でもどうぞ」と出された水出し茶は、澄んだ翡翠(ひすい)色に輝いています。口に含むと、ほどよい冷たさと豊かなうま味と甘みにほっこりと癒やされます。「水出しにすると茶葉の味が優しくなります。つまり、水出しでおいしいお茶は、お湯で入れてもおいしいお茶なんです」と誠一さんが話してくれます。

程よい温度で入れてくれた緑茶は優しい甘さがしました

川上製茶で作られている希少な紅茶。売り切れになることも

直販を始めてからは全国のお茶仲間と情報交換をしながら、飲み方の提案、飲むシーンや世代を意識した栽培・製茶を行うようになったそうです。

2018年産の県の品評会では、大和さんが煎茶部門、誠一さんが蒸し製玉緑茶部門で1等を獲得。さらに、「にっぽんの宝物プロジェクト」で上位に入り、シンガポールで開催された世界大会に出場。アメリカやフランスへも出向き、袴姿で地元の人たちに急須で緑茶を振る舞った大和さんは、これまでにない大きな手応えを感じたそうです。

「茶園を継ごうと決めたときには、まさかフランスやアメリカでプレゼンすることになるなど思ってもみませんでしたが、世界の評価がうれしかったです。これからも父と一緒に、商品価値の高いお茶を作っていきたい」と胸を張る大和さん。ポジティブに茶作りに挑戦し続ける川上さん親子の姿が、まぶしく見えました。

抹茶は石臼びきにすることで粒子が丸くなり、味わいの印象も変わるそうです。左から石臼びきの抹茶、紅茶、緑茶

左から紅茶と緑茶(ともに800円)、抹茶(1000円)

川上製茶

球磨郡相良村川辺212-15

TEL.0966-35-0975

営/9時~18時

休/不定

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