古民家の空間に展示される坂本善三の作品。木や畳に囲まれて、作品も心地よさそうです

小国町の出身で「グレーの画家」と呼ばれ、世界的評価を得たのが洋画家の坂本善三です。黒渕地区にある「坂本善三美術館」には、彼の遺族から寄贈された七十数点を含む約500点が収蔵されています。建物は同町下城地区から移築された1872(明治5)年の古民家と、蔵を模して新築された展示棟、収蔵棟からなり、全国でも珍しい全館畳敷きの美術館です。

山里の風景に溶け込む「坂本善三美術館」

「自ら大正時代の民家に住み、古いものが好きだった坂本善三の作品にふさわしい場所を提供したいと、美術館建設のおりに古民家の所有者からの申し出があったんです」と話すのは、学芸員の山下弘子さん(48)です。畳に座って鑑賞すると、モノトーンの抽象画に加えて黒い柱や太い梁も作品の一つとして見えてくるから不思議です。

宮崎市出身の山下弘子さんは小国町に住んで19年目。「小国町に住み、年齢を重ねることで、坂本善三の世界観がわかってきました」

メインの展示室は広さ72畳。「面積を聞かれると平方メートルでなく畳で答えるんですよ。そんな美術館ないですよね(笑)」と山下さん

「坂本善三が描いた色調は、故郷の原風景だと思うんです。曇りや雪の日の色、冬の寒さなど、この町に暮らしてこそ感じ取れる色なのかもしれません」と山下さんは話します。

坂本善三美術館

阿蘇郡小国町黒渕2877

TEL.0967-46-5732

営/9時~17時

休/月曜(祝日の場合は翌日)

入館料/500円、高・大学生400円、小・中学生200円


夏の涼を感じる 「水のカーテン」

「坂本善三美術館」から約2キロ進むと、滝の裏から見られることで知られる「鍋ヶ滝」があります。パワースポットとして人気があり、平日にもかかわらず駐車場には県外ナンバーの車やレンタカーが多く止まっています。

森の中に現れる水のカーテン「鍋ヶ滝」

滝つぼまで階段の遊歩道が整備され、一歩降りるたびにサワサワと流れる水の音とひんやりとした空気を感じます。「水のカーテン」と呼ばれる滝が見えてくると、その神秘的な光景に思わず感動します。ここまで長い階段を下りてきたかいがあったというものです。

滝の幅は20メートル、滝の裏側は奥行き13メートルもあり、まるで洞窟のようです。落ちる滝の向こうに見える木々や空が一層美しく目に映ります。

滝の裏側から見るとより幻想的。※大雨など、状況によっては見学できない場合があります

滝つぼまでの遊歩道。きれいに整備されていますが、滝の周りは自然のままなので、足元には注意してください

鍋ヶ滝公園

阿蘇郡小国町黒渕

TEL.0967-46-2113

(小国町役場情報課商工観光係)

営/9時~17時(最終入園16時半)

休/なし

入園料/300円、小・中学生150円

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