春夏秋冬、朝昼夕、そして晴れた日や曇った日、雨の日など、訪れるたびに異なる風情を見せる六殿神社の楼門

熊本市中心部から車で宇土方面へ向かうこと約20分、緑川の左岸に広がる富合町。古くは有明海の海岸線があり、平安時代末期にこの地を治めていた木原氏が湿地を開発し、江戸時代の初めに加藤清正が緑川の治水工事を行ったことで、広大な田畑が生まれたそうです。

「木原山」と呼ばれる雁回山(がんかいざん=標高314m)は、源頼朝の叔父で弓の名手として知られる源為朝が居城を置いたとの伝説が残る場所。為朝は、いつも山の上を飛ぶガンを射ていたそうで、恐れをなしたガンが山の上を避けて飛ぶようになったことから「雁回山」という名がついたといわれます。現在は8コースの遊歩道が整備され、ウオーキングスポットとしても人気です。またソメイヨシノの名所としても知られ、春にはたくさんの花見客が訪れます。

六殿神社へと続くこけむした道。静かな雰囲気に満ちています

雁回山の入り口にある六殿神社(六殿宮=ろくでんぐう)は、1178(治承2)年の創建。1549(天文18)年に建てられた楼門は、入母屋造のかやぶき屋根と細やかな装飾が施され、釘を一本も使わずに建てられていることから「朱色の釘なし楼門」とも呼ばれています。1907(明治40)年に、室町時代を代表する建築として国の重要文化財に指定されました。太陽の光の加減で移ろう色合いが美しく、真下に立って見上げるとその荘厳さに息をのみます。

社殿を取り囲むように広がる木立の中には、さまざまな神を祀る神社が点在しています

六殿神社の拝殿の天井には、雁を射る源為朝が描かれていました

境内のどこからともなく、チリチリンという鈴の音が聞こえてきました。音の主は、白黒のブチ猫でした。ツヤツヤの毛並みと人懐っこさから、とてもかわいがられていることが分かります。彼女の名前は「チョビ」。数年前、子猫のチョビは、嵐の日に宮司宅へ迷い込んできて、それ以来かわいがられているそうです。今では神社のアイドル。ときには七五三の記念撮影に収まり、県外からチョビに会いに来るファンもいるという、まさに「招き猫」です。

六殿神社の宮司宅で飼われている猫のチョビ。首にはかわいい肉球のお守りがぶら下がっていました

飼い主とペットの健康長寿と交通安全を祈願するお守り(ペアで1000円)

六殿神社

熊本市南区富合町木原2378

TEL.096-357-4127

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