1912年に行われたストックホルムオリンピックの国内予選会で優勝した時の金栗四三(資料写真)

1891(明治24)年、旧春富村(現・和水町)で代々続いた造り酒屋の息子として生まれたのが金栗四三です。彼は日本人で初めてオリンピックに出場し、箱根駅伝の創設や女子スポーツ界の発展など、日本の陸上・スポーツ界のために尽力した「日本マラソンの父」。今年の大河ドラマの主人公の一人としても知られています。

金栗四三が考案した長距離走の呼吸法が「すっすっ、はっはっ、すっすっ、はっはっ」。吸う息と吐く息を2回ずつに分けると楽に走れるという呼吸法です。誰もが小学校などで習った覚えがあるのではないでしょうか。小学生の頃、走るのが苦手だった筆者は、学校のマラソン大会で耳の奥に響く呼吸の音が、「走れる、走れる」とおまじないのように聞こえて、何とかゴールまで頑張ることができた思い出があります。

和水町には金栗四三の生家が残っています。山の中にたたずむ築200年ほどのその家は、堂々たる旧家の造りです。彼が通った玉名北高等小学校は、生家から約6キロ離れた現在の南関第三小(南関町)の場所にあり、山深く高低差の大きい道を、雨の日も雪の日も毎日走って通ったそうです。

1月オープンの金栗四三生家記念館。200年以上たった生家が現存しています

「この山道での鍛錬が、オリンピックにつながったんですね」と感慨深そうに話すのは和水町商工観光課観光係の石井舟さん(24)。彼が走ったという道に立つと、金栗少年の「すっすっ、はっはっ」という呼吸音が聞こえてきそうです。

「町の英雄に、皆さんが興味を持ってくださってうれしい」と話す和水町商工観光課の石井舟さん

生家は今年1月から期間限定で金栗四三生家記念館として一般公開され、ゆかりの品が展示されます。家の中には「学校部屋」と呼ばれる2畳ほどの四三専用の部屋があり、勉強にもいそしみ成績優秀だったという金栗少年の息づかいを感じることができます。

また三加和温泉ふるさと交流センターには期間限定で「金栗四三ミュージアム」がオープンします。

同館では、彼が使用したユニホームやマラソン足袋などのゆかりの品の展示、マッピングシアターなどを楽しめます。これらの場所では、晩年まで日本のスポーツ振興に力を尽くした金栗四三のスピリットを感じることができます。

1月オープンの「金栗四三ミュージアム」。学校の社会科見学などにもオススメです(イメージ)

期間限定 金栗四三生家記念館

玉名郡和水町中林546

TEL.0968-34-3047(和水町教育委員会社会教育課)

料/高校生以上300円、中学生以下200円(就学前児童は無料)

営/9時~17時

期間限定 金栗四三ミュージアム

玉名郡和水町大田黒623-1

TEL.0968-34-4300

料/高校生以上600円、中学生以下300円(就学前児童は無料)

営/9時~17時(最終受付16時半)

次は:(5)栗がまるごと入ったおはぎは黒米のつぶつぶ食感がアクセント


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