木々に囲まれる「轟水源」の水源地。水草もくっきりわかるほどの透明感

「肥後の名水」として知られ、古くから地域の人々の生活を支えてきたのが「轟(とどろき)水源」です。1690(元禄3)年、宇土細川家初代・細川行孝公が、この水源から4・8キロメートル離れた市街地まで上水道「轟泉(ごうせん)水道」を敷かせました。現役の上水道としては日本最古です。

うっそうと茂る森に囲まれた轟水源の周囲は柵や塀で囲われ、水源地は立入禁止になっていることからも、地域の人々に大切にされていることがわかります。柵の外から水がくめるようになっており、ペットボトルを持参して水くみに訪れる人も少なくありません。ひんやりとした湧水はまろやかな口当たりで、ごはんやお茶の味が一段とおいしくなるそうです。

サワサワと流れる水音に癒やされる「轟水源」

「轟水源」のそばには野菜やみかんの「無人販売所」がありました。一袋100円がうれしい

宇土市経済部商工観光課

熊本県宇土市浦田町51番地

TEL.0964-22-1111


轟水源ゆかりの寺

「轟水源」にゆかりのあるお寺が、中世の宇土城跡「西岡台」の近くにある禅寺「法泉寺」です。鎌倉時代の1293(永仁元)年、仁叟禅師(じんそうぜんじ)により開山され、当時は轟水源一帯が境内となっていたそうです。現在は「法泉寺平(ほうせんじびら)」という地名が残り、往時の名残をとどめます。

「轟水源ゆかりの寺として、どなたにも訪れていただきたい」と、朗らかな笑顔で迎えてくれたのは、住職の藤井慶峰(けいほう)さん(64)です。

「写経や座禅の体験もできます(事前予約)」と藤井住職。本堂には熊本市生まれの版画家・小崎侃(こざき・かん)氏の作品が数多く展示されています

明治期に建てられた本堂に上がると、天井とふすまを色鮮やかなチョウの絵が彩っています。藤井さんが「お寺を明るくしたい」という思いで親交のある版画家や画家の作品を本堂に飾り、「心の美術館」と名付けて公開しているものです。カラフルな絵画と、時代を重ねてきた仏像とのコントラストが印象的で、地元の子どもたちも気軽に見学に来ているそうです。

北九州在住の画家・安田潤児氏による法泉寺の天井絵とふすま絵。チョウをモチーフにした現代アートと仏画のコラボが新鮮

法泉寺本堂にまつられる轟薬師。「九州四十九院薬師霊場」第二十九番札所にもなっています

毎年、大みそかには、夜の11時半から除夜の鐘が突かれ、参詣者でにぎわうそうです。百八つの鐘を突き終わると、本堂で新年の無病息災、家内安全を祈願する„大般若祈祷“が行われます。多幸を願って参加したいものです。

法泉寺

宇土市神馬町708

TEL.0964-22-1209

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