
「みきちゃん万十」(5個入り・330円)。俵山交流館萌の里で購入できます
「にしはらマルシェ&かぞくFES」で飛ぶように売れていたのが、西原村小森の廣瀬ミキ代さん(79)が手作りする「みきちゃん万十」です。あれんじは、熊本地震の直前にミキ代さんを取材していました。震災で加工所は全壊しましたが、今年4月にまんじゅう作りを再開したと聞き訪ねました。
「元気にしとったね? 会いたかったばーい」と以前と変わらない、いや、さらに元気がパワーアップしたミキ代さんの笑顔を見て、思わず抱きつきました。「地震後、しばらく魂の抜けたごとなって、万十作りもやめとったとよ」と話すミキ代さん。体調を崩し、ふさぎ込んでいたミキ代さんでしたが、家族の協力を得て加工所を再建しました。
今では、毎朝5時には万十作りに取り掛かります。甘いあんを練り上げるのは、夫の義照さん(84)。「父ちゃんとケンカしいしい、作りよるたい」と言うミキ代さんの横で、「うちの万十ば待っとってくれる人のおんなはるけん、まだまだがんばらやん」と義照さんが穏やかな笑顔を見せます。
「喜んでもらえるのがうれしくて」と話す「みきちゃん万十」の廣瀬義照さんとミキ代さん
「一緒に作ってみらんね?」。見よう見まねで皮にあんこを詰めましたが、難しい!
夫婦で作るおいしい万十は、「黒砂糖あん入りからいも万十」「つぶあん入りよもぎ万十」「米粉万十」の3種。「ほれ、出来立てば食べてみらんね」とミキ代さんに勧められ、久しぶりに口にした「みきちゃん万十」。熱々をほおばると、震災後に経験した苦労がうそのように和らいでいくのでした。
義照さんの趣味は、サツキの盆栽です。「地震でずいぶん駄目になったけど、少しずつ増やしよるよ」
「料理の鉄人」の料理人も訪れている隠れ家的名店
地震で閉店を余儀なくされていた西原村小森のレストラン「やまの囲炉(いろ)」も、10月1日に再オープンしました。地鶏料理と本格フレンチが人気のこの店は、「料理の鉄人」の料理人も訪れている隠れ家的名店。現在は、旧店舗の隣接地にある平屋の建物でフレンチを中心に料理を提供しています。
人気はオムライス。コンソメで味付けしたご飯に、とろとろのオムレツがのり、仕上げはたっぷりのデミグラスソース。「オムライスの味が忘れられないというお客さまが多くて。そんな声を励みに、料理に〝LOVE〟を込めてお待ちしています」とシェフの坂本竜二さん(49)。ほろこぶ笑顔に、再開の喜びがあふれていました。

人気のオムライス(前菜・サラダの盛り合わせ、スープ、ドリンク付き1480円)。本格的なコースメニューも楽しめます(3200円~)
「鶏舎が再建したら、地鶏を使った料理を再開する予定です」と話すオーナーシェフの坂本竜二さんと妻の泉さん(46)
肉汁たっぷりの「赤牛ハンバーグ」(前菜・サラダの盛り合わせ・スープ・ライス・ドリンク付き1580円)
各情報は掲載時のものです。料金や内容が変わっている場合もあります。