旧伊藤伝右衛門邸の大座敷に飾られているひな飾り(提供=飯塚市役所)

人吉市内の旅館や立山さんらに、離れた所からエールを送る人がいます。ひな人形を通じて交流を重ねてきた福岡県飯塚市の人形研究家、瀬下麻美子さん(70)は「どんなに辛かったことでしょう。豪雨災害の映像がテレビで流れるたびに、胸が締めつけられました」と話します。

人形研究家の瀬下麻美子さん

瀬下さんと立山さんたちは4年前、東京で開催された「百段雛まつり~九州ひな紀行」のイベントに参加。九州7県から集めた千点以上のひな人形や道具が展示されたそうです。「九州が一つになったイベントで、ひな人形を愛する思いが集結した素晴らしい時間でした」と瀬下さん。

瀬下さんは毎年、飯塚の「旧伊藤伝右衛門邸」で約3500点以上のひな人形や道具をしつらえます。享保びなや明治時代のものなど、まるでひな人形の博物館のようです。

「コロナ禍で開催中止も検討されましたが、人吉の皆さんにエールを送りたいという思いで開かれることになりました。こうして飯塚でひな人形を飾ることを知ってもらい、皆さんが『また一から始めよう』と元気になってくれればと願っています」と瀬下さんは言います。「今年も人吉からお茶を届けてもらいました。これまでと少しも変わらないおいしさで、私も元気をいただきました」

明治天皇を男びなにして飾られた明治時代のひな飾り(提供=飯塚市役所)

福岡の炭鉱王だった伊藤伝右衛門の屋敷跡。手前の2階の部屋は、伝右衛門の妻だった歌人・柳原白蓮(1885~1967)が暮らした部屋(提供=飯塚市役所)

旧伊藤伝右衛門邸

福岡県飯塚市幸袋300

TEL.0948-22-9700

営/9時半~16時半

休/水曜(3月3日を除く)

入館料/大人310円、小・中学生100円

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