名機ぞろいの真空管アンプ 艶やかな音に包まれる

1950年代の「サンバレー」。直熱三極管を使ったアンプ

レコードのコレクションとくれば次はオーディオ。今ではスマートフォンやパソコンで音楽を楽しむのが主流ですが、ハイエンドなオーディオシステムで聴くと、艶と温かみのある音色が心地よく響きます。 

熊本市南区南高江にオーディオルームを構える吉田誠さん(69)は、「音源が生まれるスタジオやコンサートホールの音を再現したい」という情熱に取りつかれ、真空管アンプを集めるだけでなく自らアンプを作っています。

レコードプレーヤーや大型スピーカーが並ぶ中、目が留まるのが繊細なガラス工芸のような真空管をいくつも並べたアンプです。名機として知られる「マランツ#7」、1950年代の直熱三極管845を使ったアンプや、埼玉県に本社を置く日本の新星メーカー「トライオード」のものなど新旧さまざまです。一口に真空管アンプと言っても、メーカーや製造年代により、音の出方がそれぞれ違うのだそうです。

埼玉のメーカー「トライオード」のプリメインアンプ「MUSASHI」

24年前、吉田さんがメーカーに要望して実現した「マランツ♯7」の復刻版。伝説的名機もコレクションの一つです

「人生を真空管アンプにかけてしまいました。嫁さんには『私の人生はこんなはずじゃなかったのに』と言われてます」と笑う吉田さん。とはいえ、自慢のアンプを通して聞かせてくれたビートルズの曲は、アビーロードスタジオの空気感まで伝わってくるほどでした。

真空管アンプの自作もする吉田さん。全国のオーディオファンから支持されています

美空ひばりや石川さゆりなどの演歌も、オンステージの音に


天の川イルミに癒やされる宇宙をイメージした自作アンプ

いくつもある真空管アンプの中で、タワー型のユニークなアンプがありました。これが吉田さん自作のアンプです。SF映画「スターウォーズ」に登場する各種の戦闘機や現実世界の小惑星探査機「はやぶさ」に使われているイオンエンジンをイメージして作ったのだそうです。アンプにイルミネーションをまとわせて、「音楽を聴きながら天の川を渡る」という趣向になっています。

吉田さんが真空管アンプ作りを始めたのは高校生の頃。中学校の技術家庭科の時間に真空管ラジオを作ったことで、もの作りの楽しさ、真空管の仕組みのおもしろさにはまっていったそうです。

アンプ製作の目標は「生に近い音の再現」と話す吉田さん。オーディオファンや音楽マニアが憧れる吉田さんのコレクションは、自身のアンプ製作に欠かせない研究材料でもあるようです。

宇宙空間を飛行する探査機を思わせる、吉田さん自作のタワー型真空管アンプ

ノイズの原因になるので、定期的に内部の部品をチェック

箱型のアンプの中にも小さな真空管やトランスが整然と並んでいます

吉田さんのオーディオルーム「オーディオ桃源郷」

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