シングル2千枚 LP3千枚 昭和歌謡コレクション

熊本市中央区水道町にあるマンションの一室。昔懐かしい昭和歌謡のレコードを集めている尾崎幸成さん(51)は、自宅の一室を「レコード部屋」に改装し、少年時代から集めてきたという数多くのレコードを収蔵しています。

集めたのは直径約17cmのシングル盤が2千枚以上、約30cmのLP盤ともなると3千枚は下らないそうです。壁一面の作り付けの棚やボードに整然とレコードが並びます。ロック、ブルース、ムード歌謡、演歌とカテゴリー別に分けてあり、この部屋に入りきれないものは寝室に置いているとのこと。

昭和歌謡の王道のコレクション。郷ひろみや沢田研二のヒット曲など、すぐにでも歌える作品ばかり

昭和歌謡のコレクションで外せないのが美空ひばりの作品

4年前の熊本地震では部屋中にレコードが散乱したそうです。尾崎さんは、「どういう訳か落ちた時には割れませんでしたが、踏んづけたらおしまいなので、整理して元に戻すのに1年かかりました」と話してくれました。

幅広いコレクションの中には、県民に広く親しまれた故・ばってん荒川さんのLP盤や「♪あなたの街の○○○○屋」といった、耳に懐かしい地場スーパーのCMソングもありました。

「昭和歌謡でも、特にシングル盤が好き」という尾崎さん。その理由は、「たった4分弱の曲の中に情景や物語が描かれているところ」だそうです。「ダウンタウンブギウギバンドの『港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ』は最高傑作」「ぴんからトリオの『女のみち』は『およげたいやきくん』に次ぐロングヒットを記録しましたからね」と尾崎さんの口から次々に曲名が飛び出します。

あれこれレコードのジャケットに見入っていると、「行方不明」や「人間狩り」という物騒なタイトルもありました。「こんな強烈なのは今じゃ考えられないでしょ」と尾崎さん。こうした古いレコードはリサイクルショップや中古レコード店で見つけてくるそうです。

故・ばってん荒川さんのLP盤や石原裕次郎、渡哲也の曲もたくさんあります

「行方不明」や「人間狩り」といったタイトルがユニークなシングル盤レコード


家族の理解が後押し 母のために選ぶ演歌

繁華街の上通で「ニーノ&ニーナ」という美容室を営む尾崎さんは天草市牛深の生まれ。幼い頃から牛深ハイヤの調子を身近に聞き、歌謡曲が好きだった姉の善美さん(62)の影響もあって、「音楽に囲まれて育ちました」と話します。

そんな尾崎さんの日課は、帰宅すると同居している母親の須美さん(82)のために三橋美智也や村田英雄の曲をかけることだそうです。「昔、牛深じゃ船団が漁に出て行く時、それぞれの船の拡声器から演歌や歌謡曲が流れてね。当時の歌ば聞くと元気が出るとです」と須美さん。そんな家族の理解も尾崎さんの趣味を後押ししているようです。

尾崎さんのコレクションの中に珍しいものを見つけました。先ごろ亡くなった渡哲也さんが若かりし頃、石原裕次郎の曲をカバーした「嵐を呼ぶ男」のシングル盤です。今ではオリジナル曲も耳にする機会が少なくなりましたが、かけてもらうとイントロを聞いただけですぐに「♪お・い・らはドラ⋯」という歌詞が浮かんできました。

左から尾崎さん、母の須美さん、姉の善美さん。家族そろってノリがいいんです

母の須美さんが好きだという三橋美智也や村田英雄の曲も集めてあります

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