素手で土に触れると、子どものころを思い出します。花や野菜など、みずみずしい植物に向き合うと、心が癒やされる気がします。何より、季節の移り変わりを身近に感じることができます。園芸が好きな人の中には熱烈なファンも多いチェコの作家カレル・チャペック(1890〜1938)の「園芸家12カ月」(小松太郎訳、中公文庫)に、こんなくだりがあります。

「人間が気づくころには、いつも春のほうが先に来ている」

ふと外に出てみると、彼の言葉通り、日差しが温かくなっていたり、庭木から小さな若葉が出ていたり、春のサインがあちらこちらで見つかります。土の中では微生物が活発に活動を始め、小さな種が驚くほどの勢いでやわらかい芽を伸ばしているはずです。チャペックはこう記しています。

「恋びとたちは、かってに彼らの五月を謳歌するがいい。五月は単に草木が花をひらくだけだ。ところが四月には、草木が芽を吹くのだ」。その4月です。もう月の後半ですが、まだまだこれから。

「ほんとうの園芸家は花をつくるのではなくって、土をつくっているのだということを発見した」

彼はこうも書いています。このチャペックの言葉に、「住む人にとって最適な家があるように、植物それぞれに合った環境作りが大切。その土台が土作りです」と、熊本市東区にある「平田ナーセリー熊本店」店長の切鼻將晴さん(42)も大きくうなずきます。

さあ、まずは土作りです。

土の作り方(地植えの場合)

1.家の周囲の土は、家の土台に適したものなので、野菜や花用の土にリフォーム。

2.畳2畳のスペースに1袋(2L)を目安に稲ワラ馬フン堆肥をまきます。

3.元肥をまきます。野菜は人の口に入れることを考慮し、有機肥料をおすすめします。

4.植物が吸収しやすい天然貝化石を、土の表面を白く覆う程度にまきます。吸い込まないように注意して。

5.50~60センチの深さまで、空気が入るように意識しながら混ぜ込みます。

6.根が張りやすく、水や栄養吸収率の良い、ふかふかの土の完成です。

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