草原で体験する 絵本の中の美

取材時は、葉祥明さんの絵本「宇宙からの声」の原画が展示されていました

阿蘇郡南阿蘇村河陽の草千里ヶ浜に向かう県道沿いにある小さな洋館。「葉祥明阿蘇美術館」は熊本市出身の画家・葉祥明さん(73)と、弟で館長を務める童話作家・写真家の葉山祥鼎さん(71)の作品を展示しています。

葉祥明さんが描く「草原の小さな家」そのままの美術館

スタッフ手づくりのニット帽をかぶったブルービーのキーホルダー(各1210円)

「ここは、子どもの頃に家族で遊びに来ていた場所です。リゾート開発されると聞き、草原を守りたいと村に働きかけて美術館を建てました」と葉山さんは話します。雄大な阿蘇での原体験は、葉山さん兄弟の創作の軸になり、環境問題や自然保護に関心を持つきっかけにもなったそうです。

展示室にはソファが置かれていて、ひと休みしながらゆっくり鑑賞できます

絵本の原画や阿蘇の風景写真などの展示は、年4回、季節に合わせて変わります

ここでは美術館の展示室で絵本の原画を鑑賞した後、草原の散歩コースをのんびりと歩くのがおすすめ。初夏はまぶしいほどの緑が芽吹き、秋は黄金色に輝き、冬には銀世界になることもあるそうです。屋外作品が点在する草原を歩いていると、一本のコブシの木が立つ丘に到着します。「ジェイクの丘」と名付けられた丘は、葉祥明さんの絵本の世界そのまま。快晴の日は阿蘇外輪山の山並みの向こうに雲仙まで見渡すことができます。ベンチでいつまでも眺めていたくなるような風景です。

葉山さんが自ら手入れをする草原の小道。道の先に見えるのが「ジェイクの丘」です

夏から秋にかけて、バジルの花の蜜を求めてやって来る青い蜂ブルービー。出合えたら幸せになると言われています

「自然を眺めていると、イマジネーションがふくらみます。世界中の美術館を見ましたが、こんな大自然の散歩道がある美術館はほかにはありません」と笑顔を見せる葉山さん。ここは子供たちにとって楽しい遊び場であり、大人には心をリセットできる癒やしの場所になっているようです。

「阿蘇の美しい景観に、外国の方もびっくりされます」と葉山さん。葉山さんの絵本は、この草原で出合った生きものたちが主人公になっています

葉祥明阿蘇美術館

阿蘇郡南阿蘇村河陽5988-20

TEL.0967-67-2719

開館/10時~16時
休/なし(不定休あり)
入館料/大人450円、中高生250円、小学生150円
駐車場/約35台

次は:(2)島田美術館


各情報は掲載時のものです。料金や内容が変わっている場合もあります。