「Tomi's Shortbread House」のオーナー、ユキ・ウィルソンさんに特別に作ってもらった英国式アフタヌーンティーのケーキスタンド

たっぷりの紅茶にミルクと砂糖を入れていただくのが英国流だそうです

近年は、県内のホテルなどでも気軽に英国式のアフタヌーンティーを楽しめるようになりましたが、自宅で本格的にやろうとすると、招く方も招かれる方も大変なようです。英国の食文化や風俗を広く紹介した作家、林望さんのエッセー集「イギリスは愉快だ」の「お茶はホコリの香り」の中に、こんなくだりがあります。

「まずは『お茶にお招きします』
という文面のちゃんとした招待状が届くであろう。そこで、指定された時間に、その家を訪ねると、しばらくラウンジで雑談ののち、ではこちらへ、というので、ダイニングテーブルに案内される。そこにはアイロンのかかったテーブルクロスにきれいに整えられた食器類を揃えた『お茶の食卓』が用意されているのである⋯」

出てくるものは、定番のサンドイッチやスコーン、そしてパウンドケーキ、シュークリーム、チョコレート、砂糖菓子、クッキー、ゼリーなど。こうしたさまざまな軽食やお菓子を、ポットに入った大量のお茶とともにいただきます。

林さんは、「こう多くの種類の菓子を用意するのは、招く方の特に主婦にとっては、それはもう一大事である」と書いています。本格的な「ハイティー」は夕方から。出されたものを一通り食べたり飲んだりすれば、もう満腹です。もはや夕食と言っていいほどですが、英国ではあくまで「お茶」で、「食事」ではないそうです。


日本の茶の湯に通じるアフタヌーンティー

こうしたスタイルの原型は19世紀半ばごろの英国上流階級で始まったとされています。オペラやコンサートに出かける前に腹ごしらえをしておく必要があったため、とも伝えられます。単に飲食を楽しむだけでなく、作法や会話のたしなみも必要とされたとのことで、まさに日本の茶の湯の茶懐石にも通じるような気がします。少々堅苦しいようですが、それもお互いを理解し、コミュニケーションを深めるため。もし英国滞在中に、お茶に招かれたら、それは相手に受け入れてもらえた証しと受け取ってよさそうです。

お気に入りの茶器やカトラリーもそろえて、優雅なアフタヌーンティーを

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