色にあふれる 海辺のガラス工房

国道324号沿いに見えるコバルトブルーの外壁と看板が目印です

入口の緑色に塗った板にガラスを散りばめたドアが期待感を膨らませます

2階のバルコニーから、眼前に広がる有明海を庭のように一望できるコバルトブルーの建物。入口の緑色に塗った扉には赤や青、黄色の丸いガラスがはめ込まれ、取っ手は流木の枝というユニークなしつらえです。その扉の向こうには、彩り豊かなグラスやガラスの器、アクセサリー、オブジェなどが並んでいます。鹿児島市出身のガラス作家・假屋園宏道さん(44)の工房です。

キノコの様な家に住みつくカメレオンと猫。愛嬌のある表情と非現実的な世界に思わず引き込まれます

店内は色にあふれたガラスの世界。アクセサリー1500円前後~、食器類2000円前後~

假屋園さんは2018年、玉名郡和水町の「肥後民家村」にあった工房から、イルカの町として知られる天草市五和町に引っ越してきて工房を構えました。「海が見える場所で創作したかったので九州のあちこちを探して回り、この正面に海を望むロケーションが気に入って決めました」と話す假屋園さん。大好きな海を毎日望む生活に充実感を感じているそうです。

假屋園さんの工房では吹きガラスの作業は、11月末~3月末の期間を限定して行われます。写真は以前に吹きガラスの様子を撮ったご本人所有のものです

互いを高め合う 海と光とガラス

假屋園さんの作品は、独創的な形状や鮮やかな色使いが目を引きます。吹きガラスやガラスを溶かしてくっつけるフュージング、機械で細かい砂粒を吹き付けて模様を描くサンドブラストなど、多様な技法を組み合わせた技術から生まれます。わずか2センチ四方のペンダントのトップに多彩な色のガラスが絡み合う模様など、その繊細な細工に息をのみます。

ガラスならではの多彩な色の指輪がそろいます

フュージングと呼ばれる技法で、複数の色ガラスを組み合わせ焼成して接合させ、美しい模様を生み出します

最近は、陶芸とガラスを融合したアートに取り組んでいるそうです。粘土で建物や動物などを細かく作り込み、一部にガラス細工をアクセントとしてあしらって炉で焼きます。熱を介さず自由に造形できる粘土を使うことで表現の幅が広がり、さらに土と光を透すガラスという素材の組み合わせが独特の世界を生み出します。

モチーフは動物や植物などが多く、サンドブラストで描いていきます

この工房を構えて1年半。「天草の自然に接して暮らす中で色々なものに触発され、やりたいことが次々に出てきます。できれば四六時中、作っていたいほどです」と假屋園さんは笑います。

手に収まりやすい形で持ちやすいグラス。使い勝手の良さも追及しています

太陽が高く昇ると、窓際に並ぶグラスが光を取り込んで輝きを増します。グラス越しに透けて見えるのは、きらめく藍色の海。この景色の中に、假屋園さんがこの地を選んだ理由があるような気がしました。

ガラス作家 假屋園宏道さん

1975年鹿児島市生まれ。1998年から2000年まで静岡県のガラス工芸家の元で技術を学び、静岡市のリサイクルガラス工房に勤務。2008年、玉名郡和水町の「肥後民家村」で工房を開設。2018年天草市五和町に移って工房兼ギャラリーを開設。全国で個展やグループ展を開催。

ガラス工房 カリヒロ

天草市五和町御領6850-1

TEL.0969-32-0044

営/9時~17時

休/水曜(祝日の場合は翌日)

P/20台 ※都合により営業時間が異なる場合もあります

次は:(4)〈木工作家〉吉田健吾さん


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