白磁製の「天草ボタン」 故郷の文化に触発されて

一つ一つ、ボタンに丁寧に描かれたかわいらしい柄。1個1200円(税別)から

真っ白いシャツに並ぶ愛らしいボタンの数々。絵柄は一つ一つ違い、それぞれがこの世に一つしかないボタンです。

実はこのボタンは、白磁を作る天草陶石で出来ています。直径9ミリ、10ミリ、13ミリと服のデザイン、規格に合わせてサイズが異なり、洗濯もできます。何より、透明感のある白磁に、藍や赤で手描きして焼き上げられたかわいらしい絵柄が目を引きます。

真っ白いシャツに、藍や赤の愛らしいボタンが輝きます

井上さんが高浜焼の窯で焼いたボタンの下地

これらを「天草ボタン」と名付けて、天草市浄南町(旧本渡市)の自宅アトリエで作っているのが、ボタン作家の井上ゆみさん(42)です。井上さんは東京で服飾関係やグラフィックテザイナーとして活動していましたが、6年前に故郷の天草に帰って来ました。

「東京から一時帰省したとき、一人で河浦町の﨑津へ出かけてみたんです。教会の前に立つと、天草にある文化は唯一無二だと感じました。都会の刺激もいいけど、故郷の素晴らしさに触れながらものづくりをしたいと思いました」と、井上さんは振り返ります。

高浜焼との出合い 天草を描いて

天草に戻ってきた井上さんは、地元で観光関係の仕事に就いて、自分に何が生み出せるかを考え続けました。そんなときに出合ったのが高浜焼です。

「白磁の美しさに心を奪われました。そして、これでボタンを作れたら、と思ったんです」

服飾デザイナーでもあった井上さんは常々、「洋服はボタン一つで印象が変わる」と感じていたそうです。けれど海外を旅しても、国内で探しても気に入ったボタンは見つかりません。「ならば、自分で作ればいい」と、それまで自分が探し求めていたものが何か見えてきたのだそうです。

アトリエで井上さんの仕事を見守る、13歳になる愛犬のリリーちゃん

井上さんは高浜焼の窯元に押しかけて、ボタンの下地づくりについていろいろと尋ねました。最初は面食らった窯元も彼女の熱意に押され、窯の使用を了解するなど快諾してくれたのでした。

絵付けしたばかりのボタン。風や波、花、自転車などがあります

ピンセットを使ってボタンの穴を押さえ、小さな「キャンバス」に一筆一筆、心を込めて描いていく井上さんの世界。そこには天草の海や風、彼女の愛するものが表現されています。そして、あの﨑津教会を描いたブローチもありました。

ピンセットで押さえ、細い面相筆で丁寧に絵付けする作業です

井上さんが心打たれた、﨑津教会を描いたブローチ

ボタン作家 井上ゆみさん

1977年天草市本渡町生まれ。福岡大学卒業後、日本デザイナー学院と文化服装学院でグラフィックと服飾を学ぶ。2011年に帰郷。「天草宝島観光協会」(中央新町)に勤務した後、2013年からボタン作家として活動。

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