自然界の命の力で 美しく染め上げる

さまざまな色に染め上げられた草木染めのコットンストール。各3000円(税別)から販売

渋柿で出す秋の色。ビワを使った冬の色。ヨモギの春の色。そして、夏色は藍。

草木染め作家の光永綾子さん(48)が生み出す色に、心が動かされます。雨風をくぐり抜けて育った植物の力が、そうさせるのでしょうか。

「自然界に生きる命の力を借りて染め上げる草木染めは、まさに植物とのコミュニケーションです。何気なく生えている植物も天草の自然の一部。土に根を張る植物の色を、季節とともに大切に染めています」と光永さんは話します。

「藍は生き物ですから」と発酵していく藍の染料を手でかき混ぜる光永さん

草木染めの染料となるマリーゴールドの花

自宅近くの畑では、染色に使うマリーゴールドや、食用にもなるカラルー(アマランサス)などが育てられています。その中にねじり花に似た、ピンクの小さな花を咲かせたタデアイがありました。「藍の原料となる花で、種から育てました。この愛らしい花から、深くて力強い藍色が生まれるんです」と光永さんは言って、愛おしそうに見つめました。

藍の染料となるタデアイの花

万葉集の枕言葉にも使われている「茜」の染料

巡る季節の恩恵受け 四季の色を作り出す

光永さんは愛知県名古屋市生まれ。名古屋市で夫の栄司さん(50)と出会って結婚し、10年前に栄司さんの故郷の天草郡苓北町にやって来ました。

「名古屋時代に趣味で始めた草木染めでしたが次第に魅了されて、天草に来てから本格的に取り組みました。天草は草木染めをするには最高の環境です。子どもたちに手渡していけるよう、この自然がいつまでも続いていくことを願っています」

これからの季節は、裏山に自生するビワの葉を集め、葉と樹皮を煮出して染料を作るそうです。

光永さんの畑には、染料に使う植物や料理に使う野菜も育てられています

「季節が巡るのがとても早くて、こちらが間に合わないほど」。そう言って笑いながら、光永さんはアトリエの庭先で、柿渋染めの準備を始めました。

庭を秋風が渡り、ロープに干された草木染めの布が、しなやかに舞い踊りました。

草木染め作家 光永綾子さん

1971年愛知県名古屋市生まれ。名古屋時代、DJや音楽関係の仕事に携わる。結婚後、天草郡苓北町に移り、本格的に草木染めに取り組む。夫の栄司さんと15歳の長女、10歳の長男、夫の母との5人家族。自宅の一角にあるアトリエ「MEGURI」で作品を販売。ワークショップも展開中。

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天草郡苓北町坂瀬川123

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