八代市日奈久女性部ひふみ館朝市

とにかく元気で明るい「日奈久女性部ひふみ館朝市」のみなさん
毎週、水曜と土曜に朝市が開かれる「日奈久ゆめ倉庫」
八代市日奈久中町の「日奈久ゆめ倉庫」前で毎週、水曜と土曜に開かれるのがJAやつしろの「日奈久女性部ひふみ館朝市」。始まるのは午前7時と聞いて、少し早めに現地に到着したものの、時既に遅し…。
「ごめんねぇ。売るもんがもうあんまりなかもんね」と市を開いているみなさんが、申し訳なさそうに笑います。「なんさま、売り場ば作る6時半ごろにはお客さんがきなはって、並べるそばから買っていきなはっとたい」と、朝市リーダーの泉サダ子さん(89)が事情を説明してくれました。
生産者が朝市の売り場に野菜を運ぶと同時に飛ぶように売れていきます。朝市が始まってわずか30分で、売り場の野菜はまばらに
左から朝市リーダーの泉サダ子さんと、JAやつしろの米本美和子さん(50)と息子の誇太郞くん(8)
小規模ながらも、この朝市が人気なのは、とにかく、どの商品も値段が安いということ。例えば、小さなゴーヤー5、6個に、太めのキュウリを詰めた袋が、何と50円です。朝市は一応午前中いっぱいとなっていますが、商品がなくなり次第終了です。
この一袋で50円。驚きの安さです
日奈久では、戦後すぐから国鉄日奈久駅(現・肥薩おれんじ鉄道日奈久温泉駅)の駅前広場で「日奈久駅前朝市」が開かれていました。「義母も朝市で商売をしていたそうで、『なかには朝市で仕入れた品ば担いで、列車に乗って売りに行く人もおらした』と言っていました」と話すのは朝市メンバーの川上ミキエさん(69)です。
1973(昭和48)年の日奈久駅前の朝市の様子 (資料写真)
「日奈久の女性は、昔から働きもんが多くて、こん朝市も働きもんの集まりたい。次はもっと早う来なっせ。せっかくだけん、ひと風呂浴びていくたい」と泉さんが勧めてくれたのは、午前6時から営業している「東湯」です。地元の人たちが通う温泉で、大人200円、子ども50円という安さです。
地元の人たちに愛される「東湯」。朝6時から開店
8時には営業が始まっている「とらや」で名物のちくわを土産に買い、次回のリベンジを誓ったのでした。
「朝の8時から営業しています」というイケメンの「とらや」の3代目、島龍太郎さん(38)
日奈久名物の「とらや」のちくわ。5本入り500円、10本入り900円、「ちぎり天」500円も人気
最後に
朝市に出かける日は、草むらに眠る秋の虫たちより先に目が覚めたことがうれしくて、何だかいい一日になりそうな気がします。
活気あふれる朝市を歩きながら、「おはようございます」と見知らぬ同士であいさつできて、すがすがしい気分まで分けてもらえます。
家に帰り着き、朝市で言葉を交わした人のことを思い出しながら、あれもこれもと買い求めた野菜や魚などをテーブルに並べ、どんな料理にするか思案を巡らせます。秋の収穫が楽しみなこの季節、元気な朝市へ出かけてみませんか。
各情報は掲載時のものです。料金や内容が変わっている場合もあります。