商品棚には、クラシックな文房具が並んでいます=近藤文具店

ノスタルジックな文房具に出合う 近藤文具店

パソコン、スマホが全盛の今、昔ながらの文房具に接するとなぜかホッとします。上通のアーケード(熊本市中央区)を抜けた並木坂にある「近藤文具店」を訪れてみました。創業は1906(明治39)年。文具を中心に110年余りの商いを続けてきた老舗です。

今でも売られているのが、知る人ぞ知るツバメノート。多くの愛好家に支持され、判型やページ数の種類も多く、店頭にも取りそろえてあります。

「シンプルですが、重厚な表紙デザインは、1947(昭和22)年の発売以来変わっていません。書きやすくにじまない紙で、糸とじの製本も昔のままです」と話すのは4代目の近藤務さん(70)です。

判型やページ数などの種類がそろうツバメノート。B5判40枚で220円

ツバメノートの日記帳1冊150円

懐かしい糸とじの製本。職人のこだわりが伝わってきます

原稿執筆にパソコンが不可欠になりましたが、ライフの原稿用紙を手に取ると、この仕事に就いたばかりの頃を思い出します。締切に追われ、一文字一文字、息を詰めるようにして書いていました。今では使う機会も少なくなりましたが、便箋として使うアイデアが浮かびました。

1966年に発売されて、今も愛されているキョクトウの「ロイヤルカレッジ」。手前からギルフォード、エジンバラ、ケンブリッジ(フォーマットによってサイズが異なります。価格は320円~)。

手前、原稿用紙B5判200字詰め100枚450円。奥はB4判400字詰め70枚1000円(いずれもライフ)。

墨メーカー「玄林堂」(奈良県)の材木チョーク1本120円(廃番)。

縁起のいい鶴亀と宝づくしの一筆箋。400円


お気に入りの文房具で手書きの文字を

書に使う水滴。手前650円、中750円、奥650円。

右から、仮名文字(細字)用の筆各1200円、真ん中は太字用の筆6000円、左2本は絵筆各3500円。

近藤文具店には店主がこだわり抜いた硯(すずり)や墨、書道紙もそろえてあります。

「写経や手紙などの仮名文字(細字)には、のびの良いきめの細かい粒子の墨を使います。また漢字は黒味やかすれを出すために、別の墨を使うんです。巻紙一つとっても、奉書や祝詞は厚く、手紙は薄いものと、用途によって紙の質が違います」と近藤さんが教えてくれます。

巻紙は用途によって使う紙が違います。320円~。

書に使う墨もいろいろと取りそろえてあります。

愛硯(けん)家でもある近藤さんのお気に入りが「中国太史硯(たいしけん)」。硯の背面にくぼみがあり、そこに手を差し入れて持ち運べるようになっています。これは「緑硯(りょくけん)」とも呼ばれており、中国・黄河の上流で採れた緑石で作られた貴重な硯です。

緑石で作られた「中国太史硯6寸」4万8500円

手書きの文字には個性や人柄まで表れます。お気に入りの巻紙に墨筆で手紙を書けたらなんてすてきなことでしょう。

近藤文具店

熊本市中央区南坪井町1-4

TEL.096-352-1445

営/8時半~19時

休/第2日曜

P/近隣の有料駐車場を利用

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各情報は掲載時のものです。料金や内容が変わっている場合もあります。