お茶の席では、茶会を催す亭主が、準備に心を砕いて客をもてなします。本格的な席では、空腹を癒やして茶をおいしく味わえるようにする懐石料理が出ます。それからいただくのが濃茶と薄茶のお点前です。

濃茶
抹茶多めにたてる濃茶 なめらかにたてる薄茶
「濃茶」は抹茶の量が多く、お茶が飲める程度の濃さにたてます。招かれた客の側は、亭主の勧めで主菓子(おもがし=上生菓子)をいただいた後、正客(しょうきゃく)が帛紗(ふくさ)に茶碗(ちゃわん)を載せて持ち、三口ほどすすってから茶碗の飲み口を指で清めて次客に渡します。最後の「おつめ」の客は茶をすすった後、茶碗に残る茶を薬指で寄せて飲み干します。
肥後古流の場合は、同性であれば茶碗を手渡ししますが、異性の場合は「置き渡し」と言って、座の間に茶器を置いて渡します。
薄茶は、場がくつろいだころにたてられるお茶で、干菓子と一緒にいただきます。

薄茶
たてる
茶碗にお湯を注ぎ、茶筅(ちゃせん)を浸して「茶筅通し」をし、茶碗を温めます
濃茶の場合は、薄茶より多い量の抹茶を使います。茶杓(ちゃしゃく)で抹茶をならし、お湯を茶碗に注ぎます
濃茶の場合は、お湯を適量に入れて、残りは釜に返してからお茶をたてます
濃茶ができたら、茶碗の正面を客に向け、帛紗(ふくさ)を添えて客に出します
頂戴する
濃茶をすすめられた客は、まず着物の袖で口元を覆いながら、茶の色とたて具合を見ます
正客からいただきます。帛紗に載せ、茶碗の正面を左に一度よけていただきます。次に、茶碗の縁を指で拭き、次客に渡します
最後の「おつめ」の客は、濃茶をいただいた後、茶碗に残った茶を薬指で寄せてきれいに飲み干します
濃茶をいただき終えたら、茶碗を手に取り、低い位置で模様や高台(茶碗の足)などを拝見します
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