「おせちは盛り付けも大切ですが、料理そのものの形の美しさを意識して作りたいものですね」と話すのは、日本料理「おく村」の店主・奥村賢さん(48)です。大みそかともなると店の厨房は、注文を受けたおせち作りで大忙しだそうです。

奥村さんに、美しいおせち作りのポイントを聞きました。食材の切り方や調理のコツ、味付け方、そして「おく村」秘伝の「松風焼き」の作り方などを教えてもらいました。

店主・奥村賢さん

日本料理 おく村

熊本市中央区新町1-1-3

TEL.096-325-8101

営/11時〜15時(OS14時)、17時〜22時(OS21時)


〈紅白なます〉

1
大根とニンジンはかつらむきにし、横の目(縦の筋と直角)に沿って千切りにします。このように切ることによって、甘酢に浸した時に食材が曲線に仕上がります。
(大根を縦に薄くスライスして千切りにしてもOK)

2
千切りにした大根とニンジンを「立て塩」(海水くらいの濃度)にしんなりするまでつけ、流水にさらして塩分を抜きます。大根のシャキシャキ感を残すように絞り、少々の甘酢に仮づけした後、本づけにします。盛り付ける直前に柚子の皮を刻んで混ぜ入れると、三色なますとして上品に仕上がります。


〈ニンジンの酢漬け〉

1
ニンジンを拍子木切りにして、熱湯で軽く串が通るまでゆでます。

2
ゆでたニンジンを、あらかじめ作っておいた少々の土佐酢につけて「地洗い」にします。地洗いとは和食の技法の一つで、「地」とは煮汁やだしのことをいいます。酢漬けの場合も同じく、ゆでたニンジンの水分で調味料に浸す際に味が薄くなるので、あらかじめ地洗いをして味をなじませておきます。

3
2のニンジンを土佐酢に本づけにして、数日間冷蔵庫に保存し、味をしみこませます。


〈たたきゴボウ〉

1
ゴボウは皮に香りと栄養があるので包丁などで削らないよう注意。根元を残し、縦4等分に切ったゴボウをゆでます。酢を加えるとアク止めができます。

2
火が通り軟らかくなったゴボウをまな板の上に取り出し、棒でたたいて繊維を壊し、味を染みこみやすくします。

3
2のゴボウを同じ長さに切り分け、先のニンジンと同じように少々の土佐酢につけて地洗いをします。

4
3のゴボウを本づけにする際、すりごまを全体に行き渡るように回しかけます。また保存する際、保存容器の中の土佐酢とすりごまにつけたゴボウの上に直接ラップをかけると、味が染みこみやすくなります。数日間、冷蔵庫で保存します。


〈「おく村」の松風焼き〉

材料

鶏肉のミンチ1000g(2度びきにした、きめの細かいものをお肉屋さんにオーダーする)、卵2個、タマネギ2個、酒50cc、しょうゆ40cc、砂糖大さじ2、赤みそ少々(隠し味)

1
すり鉢に鶏ミンチ500gと卵1個、隠し味の赤みそを少々入れてすりこぎで混ぜ、ひとまずボールに移しておきます。

2
鍋に、水と臭みを消すための酒少々を入れて、そこに別の500gのミンチを入れます。その状態で火を入れて、火が通ったらざるに濃しヘラで押さえながら脂分のある水気を取ります。

3
すり鉢に2を入れ、残りの卵1個を加えて、すりこぎで混ぜます。混ぜ合わせながら少しずつ1を加え、酒、濃口しょうゆ、砂糖を合わせて一煮立ちしたたれを少しずつ混ぜていきます。

4
全てが混ざったらタマネギのみじん切りを一度水洗いして絞り、小麦粉を混ぜてパラパラの状態にしたものを加えて混ぜ、タネを作り上げます。バットにクッキングシートを敷き、タネを流します。その際、バットの下を手で叩いてミンチ内の空気を抜き、表面にけしの実を全体にまぶします。

5
180度に熱したオーブンで約20分ほど焼いて、パンの耳ほどの硬さになれば完成です。


〈花かまぼこ〉

1
かまぼこを四角い形に切り、かのこ切りにします。(余った部分は吸い物や茶碗蒸しの具材に)

2
沸騰したお湯でゆで卵を作ります。この時、酢を加えるときれいなゆで卵ができあがります。黄身を裏ごしします(白身はサラダなどにあしらって)。

3
裏ごしした黄身をボウルに入れて、熱湯で湯せんし、串を数本合わせて作った道具でかき回すにように、粒の形を整えます。

4
3の黄身を、かのこ切りにしたかまぼこの上に飾り付けます。

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