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心が解き放たれる五家荘の時間


澄み渡った空気の中、清々しい風が吹き渡っていきます。山深い九州中央山地からの眺め

まさに墨絵の世界。秘境に守られた自然の豊かさ

心温かく迎えてくれる『東山本店』のスタッフの方々。右から2番目が東山孝敏さん。4番目が奥様のトシエさん
 
『東山本店』の店内に張られてある『五家荘木下(きおろ)し唄』。森林での作業中に唄われていました

『珍味やまめの姿煮』は3尾入りで1050円。ほかにも、手作り田舎味噌やとうふのみそ漬け、柚子こしょう醤油だれなど五家荘の伝統食が『東山本店』で売られています

『東山本店』の名物、山女魚の姿煮。毎日沢山の姿煮が手作りされます
 
下総の国(現在の千葉県北部)佐倉村に農民の神として祭られている木内宗吾は、五家荘葉木の地主であった緒方左衛門の二男として生まれたという伝説があります。宗吾は緒方家により『義雲宮神社』に祭られています


 クネクネと車一台が通れるほどの山道を進みます。熊本市から下益城郡美里町へ向かい五家荘を目指して2時間、木立の中をようやく抜けて二本杉峠に到着。たちまち視界がうって変わります。海抜1118mと九州では最も高い場所にたたずむ山里からの眺めは、まさに墨絵の世界です。
 屹立(きつりつ)した山々、こだまのように返し合う山鳩の鳴き声、時折、木々を切り出すチェンソーの音が山間に響いて…。どこまでも澄み渡った空気の中で深呼吸をすれば、肺がいっぺんで健康になりそうです。
 新緑にあふれる五月、涼やかな夏、紅葉がまぶしい秋、冬ともなると1mの積雪に見舞われるという五家荘は、同じ熊本とは思えない文化の香りが匂い立ち、遠くを旅している気分にさせてくれます。人が自然の中に生かされている、自然が全てを支配。落人伝説の神秘を守り伝える聖域がそこにあります。
 去る4月17日に山開きが行われました。「雁俣山(かりまたやま、1315m)には4月中旬からシャクナゲやカタクリが咲き、5月には日陰つつじの群生が見られますよ」と二本杉峠で茶屋と物産館を経営する『東山本店』の東山孝敏さん(55)。山小屋の雰囲気が漂う店では、名物のヤマメの姿煮や柚子コショウ、豆腐の味噌漬けなどの伝統食が販売されています。また、ヤマメを天ぷらにした天丼や山菜うどん、きびのおにぎりなど、山の幸を味わうことができます。
 「五家荘の人々は、昔から山に敬意を持って暮らしてきました。山ん神様は女性ですから、怒んなはっと恐ろしかとです。ウチの山ん神様もこわかばってん(笑)」。そのそばで穏やかに微笑む奥様のトシエさん(54)と明るいスタッフの方々。『東山本店』は五家荘に到着して最初に情に厚く迎えてくれるお店です。


  問い合わせ
■東山本店
八代市泉町仁田尾6の3
TEL.0965(67)5302
営/8時〜18時 休/なし
  >> 2楽人伝説が語る生きる力
※各情報は掲載時のものです。料金や内容が変わっている場合もあります。
  あれんじ気まま旅
Vol.27(2011.5.7)掲載
九州中央山地の奥深い山々に点在する里、五家荘(八代市泉町)。秘められた落人伝説、清らかに澄んだ子どもたちの心、親しみやすい里の人々。たっぷりと一日、ゆっくりと流れる時間の中で、心をゆるくして過ごした五家荘の旅をご紹介します。

文=福永和子 写真=森賢一(グラフ)
表紙=愛らしい笑顔の泉小第八学校のみなさん。樅木の吊り橋・あやとり橋にて(3月撮影)
前列右から丸山春音ちゃん(小4)、木場拓也くん(小4)、山村愛美ちゃん(小3)、後列右から村川梨穂ちゃん(中1)、黒木泉紀(みずき)ちゃん(小6)、村川友唯(ゆい)ちゃん(小5)、木場拓海くん(小6)。学年は5月現在です



心が解き放たれる五家荘の時間
1:まさに墨絵の世界。秘境に守られた自然の豊かさ
2:楽人伝説が語る生きる力
3:思わず抱きしめたくなる樅木の14の澄んだ瞳
4:山里のご馳走と人情。つかのま心もゆるくなって

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